JISの洗濯機の洗浄力試験法

電気洗濯機の洗浄力に関するJISの試験法は、「家庭用電気洗濯機の性能測定方法」JIS C 9811の洗濯性能の項目で定められています。そこでは、供試洗濯機と標準洗濯機の洗浄度を求め、標準洗濯機の洗浄度に対する供試洗濯機の洗浄度との比を算出します。

標準洗濯機は標準洗濯容量1.5kg、標準使用水量30Lの攪拌式洗濯機です。約220度の角度で毎分50回の速さで攪拌運動を行います。この洗濯機と洗浄力を比較します。模擬洗濯物として、シーツ、シャツ、タオル、ハンカチの布質や形状を定め、洗濯容量ごとの枚数を定めています。その模擬洗濯物の所定の箇所に人工汚染布を取り付けて洗浄操作を行います。試験回数は4回とします。

汚染布としては、6種の油性汚れ、たん白質としてゼラチン、固体汚れとして赤黄色土とカーボンブラックを用い、水分散媒方式で汚染するものを用います。この汚染布は洗濯科学協会から湿式汚染布として販売されているものと同じです。この汚染布を模擬洗濯物に取り付けて洗浄試験を行います。洗浄前後の汚染布の表面反射率を測定し、洗浄度(D)を求めます。また、標準洗濯機の洗浄度と供試洗濯機の洗浄比(C)を求めます。

D=(Rw−R1)/(Ro−R1)
ここに、Rw:汚染布洗濯後の反射率(%)、R1:汚染布洗濯前の反射率(%)、Ro:汚染布原布の反射率(%)をそれぞれ示す。

C=Dr/Ds
ここに、Dr:供試洗濯機による4回の平均洗浄度、Ds:標準洗濯機による4回の平均洗浄度

【疑問点】
附属書4の洗剤に関する規定で疑問に思われる点があります。この附属書4では、基準洗剤A、基準洗剤B、基準洗剤Cの説明があり、それぞれの洗剤組成が示されていますが、化学物質の用語に疑問がもたれます。基準洗剤Aでは界面活性剤としてラウリル酸ナトリウムを用いることとなっていますが、このラウリル酸ナトリウムが何を指すのか不明です。おそらくラウリル硫酸ナトリウムかラウリン酸ナトリウムを指すのでしょうが、前者は合成界面活性剤、後者は石けんです。非常に重要な点においての不明点です。おそらく誤記かと思われます。

基準洗剤BとCの組成として線状アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムとの用語が使われていますが、一般には直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)と称されるもののことでしょう。エトキシル脂肪アルコールも、一般にはアルコールエトキシレート、またはポリオキシエチレンアルキルエーテルと呼ばれる界面活性剤を指すのでしょう。

また、基準洗剤BとCはIEC基準洗剤であり、には四水過ほう酸ナトリウムが組成に含まれていますが、これは過ほう酸ナトリウム四水和物を指すと思われます。過ほう酸ナトリウムは加温状態で効き目のある酸素系漂白剤であり、日本ではほとんど使用されることがなく、日本の洗濯事情にはあまり適合しません。欧州の基準洗剤をそのまま持ち込んだものかと思われますが、適切だとは思えません。 また、基準洗剤BとCの界面活性剤組成はLAS、AE、石けんから構成されていますが、これも日本では一般的ではありません。

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