☆表示指定成分に関しての注意点

 なお、平成13年より化粧品に関しては指定成分のみではなく、基本的には全成分を表示する方式になることが決定されている。実は、指定成分に含まれているのは比較的商品の成分として頻繁に用いられている物質が多く、それだけどの程度の危険性があるのかが明確になっている物質であるといえる。だから、ある意味でそれなりの情報が収集されており、そういった意味では安心できる物質だということができる。
 一方で、「無添加」を宣伝文句とした商品には指定成分ではないが、アレルゲンとしての性質等が明確にはされていないものが含まれている場合が多いことが消費者センター等から注意されている。化粧品に使用しても良い物質は、基本的には定められてはいるのだが、全ての化粧品メーカーがそのような規則に従っているとは考えにくい。特に注意すべき点は、専門家レベルであれば誤りであることを知っているはずの、「合成界面活性剤=毒物」の決め付けによる自社製品の宣伝を行っている企業の商品に関しては、そのモラルのなさから連想すると、非常に恐ろしい状況が目に浮かんでくる。そういう企業の販売している乳液やクリーム類とは界面活性剤として一体何を使用しているのだろうか。また、防腐剤無添加といった商品については、その品質の劣化に関する試験等をきちんと行っているのだろうか。酸化、腐敗等で劣化した商品を消費者が使用した場合のリスクを計算に入れての商品なのだろうか。
 本当に無添加タイプの天然物系のものが良くて、しかも品質保存等を考慮したならば、真空パック型商品や冷凍品といった工夫も必要に思われるが、防腐剤無添加タイプのものでも、特に保存の工夫を凝らしたものはあまり見あたらない。なお、合成物の防腐剤の変わりに、ある種の天然型ビタミンを防腐剤として配合しているものがあり、それらはビタミン配合を何らかの付加価値があるようなニュアンスで示しているようだが、これは本来、ビタミンのような不安定で変質しやすい物質を配合する場合には明記せねばならないという規則のもとで表示されているのであり、決してプラスの側面のみで捉えることではないということも知っておくべきであろう。
 全成分表示は一見消費者にとって複雑性を増すようにも映るが、消費者自らが学習していくことによって計り知れないメリットを享受することにもなる。
(2000年8月14日)

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