☆石けん系シャンプーと非石けん系シャンプーとの違い

 一般にシャンプーは界面活性剤を主成分とした頭髪の洗浄剤を指すが、界面活性剤として脂肪酸ナトリウムや脂肪酸カリウムなどの石けんを用いたシャンプーを「石けんシャンプー」と称して他のシャンプーと区別される場合がある。これは、特に合成洗剤と比較して石けんの優位性を示して、その石けんの使用を推進するという方向性をもった人々が好んで用いる名称でもある。洗濯用の洗剤では合成洗剤否定型の消費者団体等からの圧力によって合成洗剤と粉石けん、またその中間的な複合石けんといった区別が通産省管轄の家庭用品品質表示法で定められているが、シャンプーは厚生省の管轄下の薬事法で化粧品に分類され、そこでは石けん主体のシャンプーとその他のシャンプーとの間での名称の区別はない。
 「石けんシャンプー」というのは、あくまで公的ではない名称で、特に石けん愛好家から石けん主体のシャンプーを他のシャンプーから差別化して取り扱うために用いられる、ローカルな名称であることは知っておかねばならない。また、この「石けんシャンプー」愛好家からは、石けん以外の界面活性剤を主体にしたシャンプーを、「合成シャンプー」という名称で区別する場合もあるが、これも教育関係や消費者行政関係等の公的な情報の中で用いるには適切ではないと判断できるので注意が必要だ。敢えて石けん主体のシャンプーとその他のシャンプーを区別する場合には、「石けん系シャンプー」と「非石けん系シャンプー」といった名称が適切なのかもしれない。よって、ここでは以下、この「石けん系シャンプー」と「非石けん系シャンプー」という名称を用いることとする。
 石けん系シャンプーと非石けん系シャンプーとの違いは、当然そこに用いられる界面活性剤の種類の違いが重要になる。石けん以外の界面活性剤で洗浄用等に用いられているものと石けんとの性質の違いは、石けんが水中のカルシウムイオンやマグネシウムイオンなどの多価金属イオンと結合して水に不溶性の金属石けんに変化するのに対して、その他の界面活性剤は多価金属イオンと結合しないか結合しにくい、また結合しても水に対する溶解性保っているという点が異なる。また、石けんは強アルカリと弱酸の塩であり、水に溶解すると一部が加水分解して脂肪酸と水酸化ナトリウムになるため、水溶液をアルカリ性に変える。一方、石けん以外の界面活性剤は一般に液性には影響せず、酸性条件、中性条件、アルカリ性条件下のいずれにおいても用いることが可能となる。シャンプー等の人体洗浄用には一般に中性タイプや弱酸性タイプのものが好んで使用される傾向がある。
 その他の特徴としては、一般に石けん系シャンプーは「天然」や「無添加」ということを最大の宣伝材料としている場合が多いので、配合される添加剤等は少なくなっている。一般の非石けん系シャンプーでは泡立ちの調整や香り、製品の日持ち等に関連した添加物の優劣がその商品の競争力となるのに対して、石けんではそれらの添加物を使わないことが求められるので、必然的に使いやすさや香りといった消費性能では石けん系シャンプーは不利になりがちだ。また、液体系の石けんでは石けん純分以外に何も添加しなければ保存・衛生面において問題が生じるため何らかの防腐剤が添加されていることが多い。一般には表示上は無添加となっていても表示指定成分以外のものが含まれており、それらの指定成分以外の物質が必ずしも安全性が保証されたものではないことには注意すべきだ。
(2000年8月12日)

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